勢いで第1レグを乗り切ったウクライナ代表
フットボールはやはり、メンタルがものをいうスポーツだな、と、今回のプレーオフを見てつくづく実感した。
第1レグ、キエフにフランス代表を迎えたウクライナ代表の選手たちは、「失うものはない、当たって砕けろ!」という心意気だった。
「どうせ世界中の人たちは、フランスが楽勝すると思っているんだろう。俺たちに何ができるか、見せてやろうじゃないか!」
かたや、フランス代表の面々には、「プレーオフで負けたらただじゃおかんぞ!」というプレッシャーがのしかかっていた。
ロナウドがいるポルトガルや、イブラのスウェーデンに苦戦するならまだしも、ウクライナに負けるなんてことは、ありえない!
というのが、世の人々の心の声だったのだ。
試合が始まると、生き生きとピッチを駆け回ったのはウクライナ側だった。
フランスはすっかり後手にまわり、自分たちのプレーを出すどころではなく、あっさりと2点を喫して敗戦。結果もさることながら、「そのやる気のない態度はなんだ!」と、テレビや新聞で、レ・ブルーはコテンパンに叩かれた。
ところが、第2レグで立場は逆転したのである。
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