2戦連続でのスタメン落ち
11月のオランダ・ベルギー2連戦を終えて国際Aマッチ出場記録を前人未到の140試合に乗せた遠藤保仁。しかし今回の2試合はこれまでとは全く役割が違った。
2006年のオシムジャパン発足後からずっとスタメンに君臨してきた男が、世界屈指の強豪国相手に2戦続けてジョーカーとして送り出されるとは、本人も予想していなかったはず。
主力中の主力の起用法を変えるという大胆采配に踏み切るほど、ザッケローニ監督は10月のセルビア・ベラルーシ2連戦の無得点連敗を深刻に受け止めていたのだろう。
幸いにして、その使い方は見事に的中した。遠藤は2試合とも後半から出場。試合の流れをガラリと変え、攻撃にリズムをもたらした。最初のオランダ戦では、本田圭佑に集中していたマークを、遠藤と香川真司が分散させることに成功。遠藤は長短のパスを巧みに使い分け、本田の2点目の起点となる働きを披露。圧倒的な存在感を如実に示した。
「前半は相手にボールキープされていて、オカ(岡崎慎司)とキヨ(清武弘嗣)がボランチのラインぐらいまで下がらざるを得なくて、取った時に圭佑と大迫(勇也)しかいない状況になっていた。それは避けたいと。
相手の6番(ナイジェル・デ・ヨング)がフリーでさばいていたので、あそこを押さえながらやっていければチャンスは来るかなとも思っていました」