Tシャツプレゼント企画が大成功
状況を打開しようと昨年、スポンサー名の書かれたTシャツのプレゼントと併せて、入場料を100香港ドルにした試合があった。この試みが波紋を呼ぶ。
「100ドルでは客は来ないと毎日、新聞に書かれたんです。スポンサーが心配して電話してくれるくらい叩かれた。だけどその週の試合の中で一番入ったんです」。事前に注目を集めた分、試合には多数のメディアが駆けつけ、大手テレビ局が夜のニュースで取り上げるなど露出効果も抜群。興業収支も黒字になった。
オーナー依存型の経営でビジネスという観点に乏しい現状のリーグからしたら、横浜FC香港の存在は少し異質に映るのかもしれない。
「協会からしたら、第一声がすべて“やったことがない”なんです。Tシャツプレゼントも、最初はやったことないからが返事はノーだった。ただ、一度OKをもらって大きな問題がなければ、あとは申請だけしておけばいい。その点は助かっています。別に協会も否定的ではなくて、やったことがないから分からない」
太田氏は「そういう交渉を毎回やって、僕は協会に嫌われているみたいです。面倒くさいと」と苦笑しながらも、「あくまでも香港に来ているので、香港のルールに則ってやらざるを得ない。ただ、まったくルール通りだと苦しいので、変えてもらえるところは交渉して変えていく」と、あくまで引くつもりはない。
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