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奈良クラブとも電光石火で提携。仕掛け人に聞く、川崎フロンターレはなぜピッチ外でも熱狂を生み出しているのか?

text by いしかわ ごう photo by Go Ishikawa , Masaru Goto , kawasaki frontale

「Jリーグは共存・共栄をしていかないといけない」

――ここからは、J1のクラブである川崎フロンターレとして、奈良クラブと提携してどういう活動をしていこうとしているのか。そこらへんのお話を聞かせてください。

「まず僕の中では、大きく3つの目的がある。最初のひとつは、Jリーグは共存・共栄をしていかないといけないということ。1クラブだけが良ければいいというものじゃなくて、いいものはみんなで吸収して、うまく応用して取り込んでいけば良いと思っている。そのためにも、クラブ同士の横の関係、つながりというのを持ちたかった」

――横のつながりというのは?

「少し前に、Jリーグのイレブンミリオンプロジェクトってあったじゃない? 僕はそのメンバーとして2週間ぐらい欧州視察をしたのだけど、そこからフロンターレの算数ドリルが生まれたし、他のアイディアもたくさんもらった。

 ただそれ以上に他クラブのスタッフ同士のつながりができたことが大きかったんだ。2週間ぐらいみんなと一緒にいたから、いろんなクラブの状況が知れたし、自分たちが抱えていた悩みや問題も話すことで解決できた。あの経験から、そういう関係って大事なんじゃないかな、と考えていた」

――そこはクラブで働いている人だから気付く感覚ですね。

「いま言われている2シーズン制のように、形を変えてJリーグを盛り上げることもとても大事。でも実際に運営しているのはJリーグの各クラブであり、そこで働いている人間なのだから、僕らスタッフが刺激を受けるようなものがないと活性化は難しいんじゃないかなとも考えていた。

 そんなときに、オカからの話があった。フロンターレでの成功事例がすべて奈良であてはまるわけではないけど、参考にしてもらえる部分があるなら、それを提携という形で生かしてもらうということ」

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