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奈良クラブとも電光石火で提携。仕掛け人に聞く、川崎フロンターレはなぜピッチ外でも熱狂を生み出しているのか?

text by いしかわ ごう photo by Go Ishikawa , Masaru Goto , kawasaki frontale

直談判で決まった提携の話

――天野部長はクラブづくりを農業に例えますよね。奈良クラブは土を耕す部分で悩んでいた感じでしょうか。

「そうだね。どうやって耕せば良いのかという段階。だったら、もしかしたら自分たちの経験やノウハウを参考にしてもらえるかもしれない。ただやるのであれば提携という形をとって、周囲に人にもしっかり伝わるような形でやりたいなと思っていた。

 それに、これは僕一人で決めることではないから、武田社長にも話を通さないといけない。それでGMのやべっちとオカに武田社長に相談したほうがいいよ、と伝えました」

――それが今年9月ですね。

「最初は奈良クラブで書面を作って社長に渡す予定だったんだけど、やっぱり直談判のほうが気持ちは伝わると思った。オカが直接社長に電話を入れてアポをとった。それが9月の末ですね。やべっちとオカが事務所に来て話しました」

奈良クラブとも電光石火で提携。仕掛け人に聞く、川崎フロンターレはなぜピッチ外でも熱狂を生み出しているのか?
川崎フロンターレと奈良クラブが提携した瞬間の写真【写真提供:川崎フロンターレ】

――会談はどんな感じで進んだんですか。

「最初、社長はそんなにテンションは高くなかった。でも、そこでやべっちとオカの2人が『こういうときにどうすればいいんですか?』と、質問攻めをしていたら、次第に社長もエンジンがかかってきて、ずっと教えているんだよ(笑)」

――武田社長らしいですね。

「朝から話していたのだけど、気付いたらお昼が過ぎてた。その途中で僕が、オカに『いけ!』と目で合図したら、オカが『社長、うちとぜひ提携を!』と切り出した。もちろん僕も『社長、これはもう提携しかないんじゃないですか?』とプッシュしてね。社長も『うん、そうだな』って(笑)」

――さすがの連係プレーですね。

「そこからは、すぐカメラを持ってきて記念撮影ね。オカもオカで準備が良いから、奈良クラブのユニフォームをちゃんと持ってきているんだよ。そして『社長、これを着てください』と、入団会見のように写真撮影をさせていた(笑)」

――あの写真はそのタイミングで行ったものだったんですか。

「そう。オカもそういうところは長けているからね。ちゃんと盛り上げ方を知っている。そういう流れで提携することになりました」

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