奈良クラブとフロンターレを繋いだ岡山
――それは、ビックリしますね。
「僕が持っていたシーバーには『どうなっているんだー!?』と運営本部から大激怒の無線ですよ。でも僕は『これは時代が変わる瞬間だーっ!』と興奮してしまって、そのままスイッチをカチッと切って、その光景を見守っていた(笑)。オカの場合は、本能だから」
――確かに、計算してできる行動ではないですね。
「オカの場合は、別にクラブから言われてああいう行動をしたわけではなかった。だから彼のやってきたことは価値があると僕は思っている。実際、本当に熱い選手だし、とても純粋。サポーターと一緒にやって、サポーターにも喜んでもらいたいだけ。そうすることで昇格したときの喜びの度合いが何倍にもなることを知っている」
――岡山選手とは普段から連絡を取り合う仲なんですか。
「いや、節目節目で連絡を取るぐらい。例えば柏が昇格したときは、電話をかけて『よかったね』と言ったり、札幌に退団するときにも連絡したかな。今年は、最初、岐阜(FC岐阜)の練習生になるときに事前に連絡をくれて、それから2ヵ月後ぐらいにまた電話がかかってきて、『今度、奈良にいくことになりました』って言われて、『えぇ、奈良?』ってなった」
――なるほど。そこで選手としてだけではなく、劇場総支配人という役職も任されたことを知ったわけですね。
「もともとは、奈良クラブのGMである矢部次郎さん…僕はやべっちって呼んでるんだけど(笑)、彼が僕の本(「僕がバナナを売って算数ドリルを作るワケ」)を読んでくれて、それで岡山一成という選手を知ったとのことだった。だから『天野っちがきっかけになってくれて、奈良クラブは俺を呼んでくれた。ありがとう。
そしてフロンターレの持っている経験値をクラブに伝えたいから、ぜひ教えてくれないか?』とオカに言われたのがきっかけだね。『選手だけではなく、地域に愛されるクラブ作りを目指している』ということを言っていたのだけど、そのために何をしていいのかわからないと」