日本は既に「世界」である
日本のサッカーを取り巻く環境では「世界標準」や「世界との差」といった「世界」という言葉をよく目にするが、もはや使わなくともよいのではないだろうか。もちろん「世界」という言葉を無意識に口にした柿谷に罪は欠片もないし、日本の島国といったような特殊性を考えればそれは難しいことなのかもしれない。
それでもなお日本代表の中では、少なくとも本田、香川、長友、内田…といった面々はもはやそうした感覚から解き放たれていることだろう。彼らは欧州の戦場を日常のものとしている。
日本自体、次のW杯で5回連続出場することとなり、決勝トーナメントには過去2度進出しているのである。それはとりもなおさず日本が「世界」に参画しているということであるし、そうであれば、「世界」という言葉を使う必要はもうないのだ。
もちろんドイツやオランダといった国々から学ぶべきことはまだまだある。しかしそこで「世界」という曖昧な言葉を使わずに、ドイツ、オランダ、イタリア……と具体的なイメージを抱いたほうがやはりよいのではないか。
簡単なことではないが、「世界」という言葉を取り除くこと、つまり「landerspiel」という感覚で国際試合を戦っていくこと、それが不要な身構えを解くことにも繋がり、ひいてはこの先日本がW杯で結果を出していくことに繋がっていくのではないだろうか。
【了】