遠征中あまり取材に応じなかった内田
「シャルケでも鹿島でもそうだったけど、うまくいかないときはうまくいかない。どう打開すると言っても流れがくるまで我慢するしかない。そこらへんは戦術とか内容の問題じゃないし、今までもそうだった。勝って、はじめてチームのリズムができる」
10月のセルビア・ベラルーシ遠征で無得点2連敗を喫した後、内田篤人(シャルケ)は勝てないことへの苛立ちを誰よりも募らせた。常勝軍団・鹿島アントラーズや、常に勝利を求められるドイツの名門・シャルケでプレーしてきた彼は、日本代表の中で勝つことの重要性を最もよく知っている選手の1人と言っていい。その内田の言葉だけに重みが感じられた。
ところが、11月オランダ・ベルギー2連戦の代表合宿に合流した内田は「メディアの質問にはあまり答えたくない」といつになくそっけない態度を見せた。
「勝利至上主義」とも取られかねない1ヵ月前の発言が大きなインパクトを与えたことを、本人も少なからず気にしていたのかもしれない。これまではどんな取材にも快く応じていた内田が「(質問は)2問だけ」と毎日言い続ける姿から、どこかしら違和感がうかがえた。
こうした出来事があって、16日のオランダ戦に自然体で入れないところがあったのだろう。開始早々にファン・デル・ファールトに先制点を献上した時のミスは、クラブで好調を維持している内田には考えられないミスだった。
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