ポイントだった中盤でのボール奪取
オランダのDF(4バックなのでSB〈サイドバック〉とCBの4人を指す)がチェックに来る日本の選手をかわせば、MFのストロートマンやデ・ヨングを経由してビルドアップがなされる。
ファン・デル・ファールトは日本のMFとDFの間のスペース(ギャップ)を行き来する。ファン・デル・ファールトが山口螢を追い越してギャップに入ると山口はその動きに釣られて下がる。
そうすると、ピッチの中盤の広い範囲でストロートマンとデ・ヨング対長谷部誠の2対1の関係になってしまう。こうした場合、守っている日本はオランダの選手をどこで味方に受け渡すのか、というタイミングがズレるとピンチになる。
日本はオランダの中盤のMFからボールを奪うと、長谷部あるいは山口がフリーで前向きにボールを持てる。日本が中盤で数的優位を作れる可能性がでてくる。
フリーでボールを持てるデ・ヨングをケアすれば、逆に日本が数的優位になれると、試合の中で誰が早く気づくのかを見ていたら、最初に大迫が下がってデ・ヨングをケアしようとした。
大迫のプレーを見て状況を悟ったであろう本田は、大迫が高い位置で相手CBをチェックして下がれないときに、ボールがデ・ヨングに渡るとすぐに本田が下がってチェックにいく。
【次ページ】流れを変えた香川の動き