相手のプレスをいなしたビルドアップ
オランダは序盤、ウィングのロッベンとレンスがSBをチェックし、トップのS・デ・ヨングと攻撃的MFのストロートマンとファン・デル・ファールトが日本のCBとボランチの“ボックス”にプレッシャーをかけてきた。
ザッケローニ監督はボックス間のパス交換から、より高い位置に上がったSBや前線の選手につなげて、攻撃をスピードアップさせる練習をしている。
そこを狙われたことで序盤はパス回しがあたふたしてしまったが、徐々にGKの西川を使いながら相手のプレッシャーをいなすことで、落ち着いたボール回しが出来るようになったのだ。最初の方で何度かパスをカットされ、大きなピンチを招きそうになった山口も「試合の中で意識するようになった」と振り返る。
西川は「試合前には自分のところから、つなげたらつなごうと話していた」と語るが、オランダのプレッシャーを受ける中で、リスタートのみならず流れの中でも、西川のビルドアップをしっかり使うことで、日本の良い攻撃リズムを作ることができたのだ。
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