なんと来年春には大学を卒業
冬の到来と共にリトアニアのサッカーシーズンは終わった。三冠を達成したジャルギリスにとっては少しほろ苦いリーグ優勝だったが、リーグ戦9試合(3得点/公式戦計12試合)の出場に留まった金井にとっては別のほろ苦さが残っている。優勝経験ある「海外組」になった感想を尋ねると、彼はきっぱりと言い返した。
「ほんと何もしていないんで今年は。試合に出られなかったんで何とも言えないですね」
物静かな彼はシーズンをゆっくりと振り返りながら、内側に秘めた闘志と意地を覗かせた。それもこれまで歩んだキャリアの賜物だ。決して勉学も疎かにしなかった証拠に、彼は最初の二年半で全単位を取得して来年春には四年間で大学を卒業する。今後のキャリアは未定だが、リトアニアで過ごした日々は将来の糧になるだろう。
「この一年は本当に悔しい思いをいっぱいしました。ただ、この経験を活かすも殺すもほんと自分次第だと思います。これからどう頑張っていけるかが大事だと前向きに捉えています」
【了】