今季、リトアニアで優勝
ヨーロッパには星の数のようにサッカークラブはあれど、UEFA加盟国の一部リーグで戦えるのは現在「722」クラブに限られている。その中でリーグ優勝のトロフィーを掲げられるのは年間「54」クラブのみ。
欧州全域に日本人選手が浸透し、戴冠の喜びを分かち合う「海外組」は次第に増えつつある。そんな仲間に新たなフットボーラーが加わった。MF金井拓也(21)。11月9日、彼が所属するジャルギリス・ヴィリニュスは、リトアニアリーグ「Aリーガ」最終節で優勝を決めた。名門復活の歓喜に酔いしれる人々の輪に、プロ一年目の金井がいた。
「14年ぶりの優勝にサポーターはめっちゃ喜んでくれました。ビアホールでの祝勝会も凄く盛り上がり、皆で踊ったりして。それから僕ら選手は朝の5時までクラブに行きました。でも僕はお酒が嫌いなので、そんなに飲んでないですね(笑)」
金井のサッカーキャリアは地元福岡でスタートした。父の影響を受けてサッカーを始め、小学校一年生で地元クラブに入団。高学年になってアビスパ福岡のジュニアユースに合格し、15歳までプレーしたが、海外挑戦の芽生えは他の誰よりも早かった。
中学卒業後はイングランドにサッカー留学し、ロンドンの学校チームで数ヶ月間プレー。コーチの縁でクリスタルパレス入団のチャンスもあったという。
「クリスタルパレスのU-15のコーチが時々、僕を練習に連れて行ってくれました。もしU-18のコーチが『欲しい』と言ったら入団できたんですけど、僕のような小さい選手ではなく、体格の大きい選手が好まれていました」