アジアでは良いバランスだが強豪国相手だと…
例えば、アジアの相手と戦うときは、攻撃を7割、守備を3割が「理想のバランス」になる。具体的には、サイドバックがウイングのような高い位置をとって、ボランチも善戦を追い越してゴール前に入っていく。
アジアであればボールを失った後に、ゴールに結びつくような決定的なパスが出てくることは稀だ。守備の準備ができていなくても整える時間があったし、プレッシャーをかければ相手はミスをしてくれる。それゆえに日本はカウンターのリスクをあまり心配することなく、人数をかけて攻めることができていたのだ。
だが、欧州や南米の強豪は一つのミスを見逃さず、確実に結びつけてくる。その結果がコンフェデレーションズカップでの3連敗、その後のウルグアイ戦での2-4での惨敗だった。日本は強豪国を相手にもパスを回したものの、守備に回ったときのリスクマネジメントがあまりにもできていなかった。
「10月の2試合を行う前までは攻撃のほうが良くて、守備が悪いという状況だったが、10月の2試合ではそのバランスが逆になってしまった」(ザッケローニ監督)
10月に行われたセルビア戦、ベラルーシ戦で日本は2連敗を喫している。ザッケローニ監督が言うように、前線の守備の意識の向上には一定の改善が見られたが、今度はチャンスの数自体が少なくなってしまった。
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