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戸田和幸という生き方(後編)

text by 大泉実成 photo by editorial staff

ジェフで味わった天国と地獄

2004年 清水エスパルス
2005年 東京ヴェルディ1969
2006年 サンフレッチェ広島
2007年 サンフレッチェ広島
2008年 ジェフユナイテッド市原・千葉
2009年 慶南FC
2010年 ザスパ草津

 以上は日本に戻ってからの戸田がその年度に主にプレーしていたチームを表しているが、まず特徴的なのは毎年のようにチームが変わっていることである。

──資料によると「2005年、優勝できるチームへ行きたい」と清水を離れ、ヴェルデイに移籍されたということになっていますが…

戸田 それはあながち間違ってはいないです。そのころ僕は26ぐらいで、上しか見ていない時期でしたから。

──行ってみて、当時のヴェルディはどんなチームでしたか。

戸田 プロっぽかったです。みんなめちゃくちゃ上手かったし。だから「ああ、これだ」と思ったんですよ。個性は強いし。ただ、個性って強すぎるとまとまんねーんだなって。だから、ほんっとに惜しいチームでした、あれは。──(笑)

戸田 やっぱりチームには規律が必要なんだっていうのを学びましたね、あそこで。アルディレスさんからコーチだった石崎さんに監督が代わって、あの人はやっぱり守備とかをきっちりやる方なんで、飛躍的にチームがよくなったんですよ。ちょうどレアルに勝った時期なんですけど、だれもが「これはいい」って言ってたら、またブラジル人の監督が来られたんですね(笑)。

 で、やっぱブラジルの監督ってブラジルなんですよ。石崎さんのときにいい具合にあった規律がなくなって、自由になってしまいましたね。ピッチは間延びするし、ドリブルばっかになっちゃうし。あんなにタレントが揃ってたのに、それぞれの持っているいいものが、潰しあってしまう。

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