J1リーグ得点ランクトップをひた走る大久保嘉人。
シーズン当初の目標は15ゴールだったが、前節清水戦でも2ゴールをあげて、現在はそのゴール数を24ゴールにまで伸ばした。
この大久保の得点力は、過去の得点王と比べても際立っている。例えば昨年の得点王である佐藤寿人は22点。一昨年の得点王であるケネディは19点だ。さらにさかのぼると、10年は前田遼一とケネディが17点、09年は前田遼一が20点、08年のマルキーニョスが21点でそれぞれ得点王に輝いている。過去5年のデータを見れば、残り3節を残して24得点という大久保の得点力の凄さがわかるというものだ。
ただし過去10年のJリーグ得点王のゴール数を比較すると、圧巻のゴール数を挙げていたストライカーがいる。
それは、ガンバ大阪が05年に初優勝を果たしたときのストライカーであるアラウージョだ。その名前を挙げると、大久保嘉人からは「33点でしょ」とのコメントが返ってきた。
「そのガンバの試合、最後はフロンターレとやっていたでしょ?こないだテレビでやってたから見たんよ」
その試合とは、2005年のJ1最終節の川崎フロンターレ対ガンバ大阪戦のことである。ガンバ大阪が悲願の初優勝を決めた場所は、奇しくも等々力競技場でのフロンターレ戦だったのである。聞くと、スカパー!でこの優勝を決めた試合が再放送されていて、相手がフロンターレだったということもあって見ていたらしい。
「それでアラウージョが決めたときに『33点目』と言っていた。そんなに取ったんだ、と驚いたね」
アラウージョに並ぶ33得点に達するには、残り3試合で9得点を取らなくてはならない……さすがにアラウージョ越えは難しそうだが、大久保嘉人のゴール数がどこまで伸びるか。シーズン終盤に注目点になりそうだ。
【了】