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戸田和幸という生き方(前編)

text by 大泉実成 photo by editorial staff

やると決めたことはやるタイプ

──中学一年のときに、よくこのレベルに追いつきましたね。

戸田 そうですね。でも僕は中学一年の時にはプロでやろうと思っていましたから、そのためにはこのチームでどのくらいの順位にいなければならないのか、そのためには何をしなくちゃいけないか、というのを自分なりに考えていろいろ練習してたんですね。

──戸田さんの特徴は両足で強く正確なキックが蹴れることですが、それはこの時代からですか。

戸田 ポジションがなくて、左サイドバックをやるしかなかったんで、すごく練習したんです。僕は中学のときにすごい身体能力が伸びたので、左サイドからそのままドリブルで駆け上がって全部抜いていって、それで点決めるみたいな感じだったんです。

──おー。

戸田 だから左足で蹴れなきゃというんでずいぶん練習しましたし、蹴れなくて泣いたときもあったんです。でもそこそこ忍耐強いというか、やると決めたことはやるタイプなんで、あきらめることはなかったですけどね。

 町田って、起伏がすごく激しい町なんですよ。でも俺どこでも自転車で行ってたんで、それで足腰が強くなりました。

 だから僕はこれまで生きてきてサッカーの才能あるなって思ったことは一度もないんですよ。なくたってできる、っていうのが僕の原点ですね

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