ファン・ペルシーのパパは著名芸術家

　今回、残念なのはファンペルシーの出場が見送られたことだ。日本代表のDF陣が、どれくらいあのボンバーを押さえられるかが見たかった。

　もしかすると、父親のボブ・ファンペルシー氏も息子の不出場を残念に思っているかもしれない。ボブ・ファンペルシー氏は有名な芸術家であり、スタジアムの「客席」をモチーフにした作品を展開している。ボブ氏は息子の出場する試合にはたいてい来ているらしい。そしてプレーを楽しむとともに、客席を観察している。

　こんなコメントを残している。

「大群衆がもたらす歓声は、トウモロコシ畑を吹き抜ける風のように、私の感性を震わせます。みなさん、早くにスタジアムに着き、客席が埋まるまでを眺めてください。それは一つの作品が生まれるプロセスのようです。個々の人々の色や形、そこには顔はなく、最後は一つの塊になる。その作品は毎試合ごとに違う。私はそれに魅了されている」

　いとうやまねも、客席に魅了されているひとりであり、この言葉には共感を覚えている。サッカーの試合はピッチの中で行われているが、サッカーの文化はピッチの周りも含めた全てである。

　今回のオランダ戦やベルギー戦、この先にあるブラジルでのW杯も、行ける人は現地で、国内でTV観戦の人はモニター越しに、客席の色や音、そこにある歴史や文化を一緒に楽しみましょう。

【了】

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