ついに電車を動かしたフロンターレ
「一念岩をも通す」という。
物事に取り組む際、岩のように堅く大きな障害があったとしても、必死になって取り組めばその壁を乗り越えて、成就させることができるということわざである。
11月10日Jリーグ第31節、清水エスパルス戦に開催された沿線活性化を目指す東急電鉄と行った、「サッカーと鉄道」のコラボ企画「川崎の車窓から~東急フェスタ~」。そのことわざになぞらえれば、川崎フロンターレの情熱は、ついに電車を動かすことにも成功したということでもある。
サッカーファンと鉄道ファンの双方が楽しることを目的として実現したこのイベント、当日のフロンパークは前評判にたがわぬ熱気溢れるイベントとなっていた。
まず試合のキックオフは19時からだが、イベント会場は通常よりも1時間早い5時間前の14時より開催……いやいや、実はその前からこのイベントはすでに始まっていたのである。
一体いつから?
それは試合前日の深夜からだ。今回の企画の目玉である、等々力に登場する電車「旧検測車デヤ7200」。この旧検測車は当日のスタジアム前の広場に設置されることになっていたわけだが、この車両がスタジアムに輸送される瞬間を、写真に収めようとする鉄道ファンが集結したのである。
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