「もっと日本人選手がエールディビジに来たらいい」
2001年、小野伸二がフェイエノールトに来た時、サポーターはこう思った。日本人は本当にサッカーを出来るのか――と。しかし、その疑問はすぐに溶けた。入団1年目で小野伸二はUEFAカップを獲得したフェイエノールトの中心選手となったのである。
小野によって「日本人のMFなら間違いない」という評価が生まれ、藤田俊哉(2003年ユトレヒト)と戸田和幸(2004年ADOデンハーグ)が半年間ずつプレイした。
FW平山相太(2005-06年ヘラクレス)が去った後、オランダから1年半ほど日本人選手の姿が消えたが、本田圭佑(2008-09年、VVV)が再度日本人の評価を高め、さらに宮市亮(2011年、フェイエノールト)がたった半年の在籍だったもののセンセーションを巻き起こした。
小野が拓き、本田が太くしたエールディビジへの道は、2011年には吉田麻也、カレン・ロバート(共にVVV)、安田理大(フィテッセ)、高木善朗(ユトレヒト)という4人もの日本人選手が同時在籍することでさらに伸びて行こうとしている。
ここまで大成功と呼べるのは小野、本田、宮市の3人だが、それでも将来性を買われて入団したばかりの高木を除けば、すべての選手が出場機会に恵まれているのは特筆される。選手Aは言う。
「僕はもっと日本人選手がエールディビジに来たらいいと思う。パスをつなぐサッカーのJリーグはスペインとオランダの間みたいなスタイル。『ドイツはレベルが高い』と言われるけど、パスをつながないので僕には雑に見える。確かにブンデスリーガはゴール前の攻防が多く、迫力があるかもしれないが、日本人にはやはりエールディビジの方が合うと考えている」