アビスパ福岡が資金ショートするなどJクラブの経営危機が表面化しているが、Jリーグには公式試合安定開催基金という融資制度がある。かつてJリーグがシーズン中に公式戦を安定して開催するために設けた制度だが、ここで改めておさらいしておこう。
創設は2005年で、当初J1クラブは対象外だったが2009年以降は全クラブが対象となった。
シーズン中に適用を受けたクラブは、J1の場合は返済できなければ残留する順位であっても降格、J2の場合は昇格する順位であっても昇格できない。
融資額の上限は、原則として一クラブあたり3億円。
なお、クラブライセンス制度導入以降は、クラブは融資を受けた時点でチームの勝点10が減点されることとなった。
過去、この制度から融資を受けたクラブは以下の4クラブ。
2005年 ザスパクサツ群馬 5,000万円
2008年 FC岐阜 5,000万円
2009年 大分トリニータ 3億5,000万円
2010年 大分トリニータ 2億5,000万円
2010年 水戸ホーリーホック 3,000万円
いずれも融資を受けたあとに返済期限の延長などもあったが、今ではすべてのクラブが完済している。
大分は昨年、未返済分の3億円を10月までに返済できなければJ1昇格プレーオフに進出できない状態だったが、個人の募金額などで1憶2,000万円以上を集めるなどして期限までに全額を完済。年間順位6位からJ1昇格を勝ち獲ったのは記憶に新しい。
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