「あまり今日は、頭は切り替えられないって感じですね…」
そんな中、長谷部と清武は小気味よいパス交換をする。2人は前線にも積極的に顔を出していた。右サイドからの折り返しを清武が中央で受け、シュートを放つ。長谷部もミドルレンジから、シュートを放つ。
そうして迎えた21分、先制ゴールを奪ったのは、ニュルンベルクだった。清武からのスルーパスを受けたヨジップ・ドリミッチは、そのままゴール右隅に流し込んだ。
試合後のミックスゾーンで、清武はこう述べた。少し気落ちしている。
「今日は勝ち点3を取りにいく気持ちでやっていましたし、結果的にこうなっちゃったんで、あまり今日は、頭は切り替えられないって感じですね…」
長谷部とともに、清武はこの対ボルシアMG戦で本当に高いクオリティを示していた。確かにそのプレーの中に、勝ち点3を取りにいくという気概が、込められていたのだ。
しかし「62分」から、ゲームの流れは徐々にボルシアMGに傾いていってしまう。62分、負傷しながらも闘い続けていたCBのペア・ニルソンに代えて、ニクラス・シュタークが入った。若干18歳のシュタークとすれば、嵐の真っただ中に突如として放り込まれたような感覚だったのかもしれない。
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