拮抗した戦いを制した広州恒大
アジアのクラブチームの頂点が決まった。11月10日、広州恒大とFCソウルによるAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝戦セカンドレグが中国で行われ、試合は1-1のドロー。決勝戦2試合の合計スコアは3-3の引き分けだったが、アウェーゴール数の差で、広州恒大がACL初制覇を飾った。
昨年Kリーグを制し、今年はACL制覇をと目論んでいたFCソウルだったが、あと一歩のところで涙を飲む結果となった。中国での現地取材を終えたばかりの、サッカー専門サイト『FOOTBALLIST』のリュ・チョン記者は、今回の決勝戦をこう分析する。
「どちらが優勝してもおかしくなかったが、選手層の厚さが試合の結果につながったのではないでしょうか。広州恒大は国内選手たちも活躍していましたし、FCソウルのハ・デソン選手も“予想した以上に広州恒大は強かった”と話していました。
また、今回の結果は広州恒大の“作戦勝ち”だったともいえるかもしれません。10月26日に行われたファーストレグのアウェー戦でも守りに徹することなく、とにかく得点するというスタイルだった。それが功を奏し、アウェーゴール数の差で優勝を手にすることができたのですから」
実力は伯仲だったが、広州恒大が一枚上手だったというわけだ。そんな広州恒大を率いたのは、名将マルチェロ・リッピ監督。ただ、今回のACL決勝戦においてリッピ監督が注目されたのは、試合前の“発言”であったといえる。
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