「シンジについてどう思う?」ルーニーの答えは…
なんとエースのルーニーが我々の囲みに参加したのである。ユナイテッドの対応としてはちょっと信じられないサービスぶりだった。このツーショットには記者達もびっくりしたが、並んだ香川も驚いた。ルーニーが登場した瞬間、日本代表MFは思わず、「まさか!?」とつぶやいていた。
これまでも試合後に、香川はルーニーに対する敬意、憧憬を何度かコメントにしていた。今年の4月2日、ハットトリックを決めたノリッジ戦の直後にも「本当にワールド・クラスの選手で、誰とでもやれる。彼との連携は本当にやりやすい」とワンダーボーイについて話している。しかし、それも無理はない。この日の3ゴールのうち、2ゴールがルーニーのアシストだった。
しかしユナイテッド入団以来これまで、香川のこんな顔は見たことがなかった。うれしさのあまり、顔が笑い崩れた。その顔はルーニーが“シンジについてどう思う”と訊かれた最初の質問に“Obviously, I think that Shinji is a great player”(明らかに、シンジはすごい選手…)と話し始めた瞬間、さらに崩れた。
その香川の、24歳の若者らしい、まさにひとりのサッカー少年に戻ってしまったかのような表情も良かったが、「シンジはすごい選手」と話した後、ルーニーが語った内容はさらに素晴らしいものだった。
「シンジはすごい選手。だから、非常にリンクアップ(連携)するのが簡単だ。今シーズンはまだそれほど一緒にプレーしていないが、一緒にプレーした時にはいつもいいパートナーシップが築けるサイン(兆し)がある。願わくは、これからもっとそれを(シンジとの連携を)見せていきたい」
ここで重要なのは、「show signs」(兆しを見せる)という発言だろう。つまりルーニーは香川との連携に、ルーニー自身が渇望する“可能性”を感じているのだ。