「過去のW杯2大会と比べると、今の代表は最も弱い」
メンバーを固定化せず、常に選手をローテーションしながら戦っているオランダ代表だが、サッカースタイルに戸惑う選手はほとんどいない。「草サッカーで即席チームを作れば、オランダ人は勝手に4-3-3に散らばる」と言われるぐらい、草の根からトップまで彼らは自分たちのスタイルを持っている。
予選では順調に来たが、果たしてW杯でどこまで行けるのか、オランダ人も全く想像がつかない。親善試合の結果はあまりあてにならないとは言え、オランダはベルギーに2-4と敗れ、ドイツ(0-0)、イタリア(1-1)、ポルトガル(1-1)と引き分け、強豪相手に一度も勝ってない。
「オランダより強い国は8つある」とファン・ハール監督は分析する。また、選手たちのCLでの経験不足から専門誌の『フットボール・インターナショナル』は「過去のW杯2大会と比べると、今のオランダ代表は最も弱い」と記している。代表選手の供給源であるオランダリーグのレベル低下は、代表チーム強化にとって頭が痛い。
しかし『災い転じて福となす』ではないが、今、オランダリーグでは若手選手にどんどん出場機会が与えられ、その中から注目選手が次々に生まれて来ている。アヤックス対セルチックで大活躍し、評価を高めたCBフェルトマン(21)はそのひとり。ファン・ハールはこうした旬の選手をレスポンス早く代表チームに抜擢する。
選手の入れ替わりの激しさから、チーム層が厚くなったオランダ代表。あとはいかに力を世界標準に近づけるかが課題となる。
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