ブラジルで大きく報じられたジエゴ・コスタの代表選出
日本の新聞社の表記方法に倣えば彼は「ジエゴ・コスタ」から「ディエゴ・コスタ」となる――。
ここしばらくブラジルでは、ジエゴ・コスタがブラジルとスペイン、どちらの代表を選択するかが大きく報じられていた。
日本では外国人の名前は、出身国の発音に近い音を選んでカタカナ表記している。例えば、「Ronaldo」は、ポルトガル代表のクリスティアーノは「ロナルド」、元ブラジル代表の怪物は「ロナウド」と言った具合だ。ブラジル・ポルトガル語は「L」を「ウ」と発音することが多い。そのため、二人は同名にも関わらず、日本での表記は異なっているのだ。
「Diego」も同様だ。「D」はブラジルでは「ジ」と発音されるため、長谷部誠の同僚だった小柄なブラジル人ミッドフィールダー「Diego」は「ジエゴ」、アルゼンチン人の気まぐれな王様は「ディエゴ」・アルマンド・マラドーナと表記されてる。
話をジエゴ・コスタに戻そう。
ジエゴ・コスタは、セルジッペ州のラガルトという小さな町で生まれた。セルジッペ州一帯はノルデステ(北東部)と呼ばれている。ノルデステという単語はブラジルでは少々蔑視の意を含むことがある。
というのも、ノルデステはブラジルの歴史を凝縮した地域である。
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