「どんなに疲れていてもチームのために走りたい」

「前にいないとゴールは取れない。どんなに自分が疲れていても、チームのために走りたい、入って行きたいなと思います」。試合後長友は、「今まで何度も言ってきたことだけど」と前置きした上でそう語った。献身的な上下動をチームのために活かし、守備だけでなく攻撃の際にも苦しい時間帯で貢献を果たす。現在インテルではウイングバックでプレイしているが、長友佑都にとってこれがサイドバックとしての矜持だ。

　ロスタイムでのゴールに結びつく直前にも、長友は自陣での守備から猛烈なスピードで前線へ走り込むプレイを2度やっている。敵、味方ともに集中が切れ、足が止まってくる終盤にこれは効く。この日アキレス腱の故障から復帰したサネッティは、周囲が疲れた時間帯にドリブルでボールを運ぶプレイを良くやるが、そうした彼の推進と長友の走り込みがゴールへと結びついたのは、どこか象徴的でもあった。

　もっとも攻撃性を全面に出した一方で、前半ではエムバイエに好きにやらせてしまったところは反省点であろう。試合後、マッツァーリ監督の会見では「長友の位置が高すぎやしないのか」という質問が地元記者から飛んだ。

　これから始まる代表戦2試合では、サイドバックに戻り守備の比重が高まる。インテルでのキレはそのままに、次は守備での安定感も披露してほしいものである。

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