Jクラブに求められる、「デジっち的露出」の創出
ベルギーサッカー協会のYoutube活用が優れているのは、あくまでも主役は選手であるということをしっかり理解していることだ。当然ながら、サッカーチームの主役は選手たちである。ファンやサポーターたちは、選手のプレーに一喜一憂し、喜怒哀楽を顕にする。
ファンやサポーターが顧客であるならば、商材は選手たち。つまり、協会やチームには商材である選手たちの魅力を最大限引き出せるようなプロモーション策が求められている。上述した通り、彼らのチャンネルには選手の人柄や選手同士の関係性に迫った動画が豊富であり、“素材”である選手たちを最大限に活かそうという意思が動画から伝わってくる。
テレビ朝日『やべっちFC』には「デジっちが行く!」というコーナーがあった。J1のキャンプシーズン恒例の企画で、キャンプ中の選手たちにハンディカメラを渡し、チームメイトのオフショットを撮影してもらうという趣旨だが、これがなかなか人気だった。
そこでは、選手たちのお茶目で意外な一面がおさめられており、普段なかなか見ることのできない新たなパーソナリティをファンやサポーターは発見する。ある意味、ベルギーサッカー協会のチャンネルに近い形だ。
こうしてファンは、選手をもっと好きになるのだ。今では選手の多くが自身のアカウントを持ち、ソーシャルメディアで個人情報を発信するようになったが、クラブや協会にももっとできることはある。今後のJリーグ人気を考えた時、Jクラブがこういった「デジっち的露出」を創出していくことは意外と大切なことなのではないだろうか。
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