監督に求められる仕事とは?
「サッカーやスポーツの世界だけでなく、他分野でもすることだと思うが、何か仕事が一つ終わったあとには、その分析をしなくてはいけない。その方法は二つあって、一つは結果論。結果を基に分析していく。
もう一つは原因論。何を狙ってそれが通用したのか、できたのかを探っていくという方法だ。自分としては後者を採用したい。
勝っているときにはすべてうまくいっていて、負けているときはすべてがダメという考えをする人もいるが、監督としてはそうした結果論に左右されることなく、何が起こっていて、何ができたのかという“原因”を探っていくこと。それこそが監督に求められる仕事だ」
メディアに対して「(君たちは)勝っているときにはすべてうまくいっていて、負けているときはすべてがダメという考えをする人」だよねと暗に言いつつ、それは「結果論」と退けるロジックだ。
もしかすると、オランダやベルギーに良い内容で「善戦」することはできるとザッケローニ監督が思っているのかもしれない。続く質問も、やはり監督と選手の「ギャップ」を指摘するものだった。
「柿谷がずっと無得点だが、その原因をどう考えていらっしゃいますか。また一部の選手は『ボランチが柿谷を観ていないからだ』とも言っているが」
山口螢が柿谷の動き出しをボランチの選手が観ていないと語った発言についての質問である。柿谷の起用と、彼を生かせていない用兵についての質問でもある。
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