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日本代表 11年前

いまだ定まらぬザックジャパンの1トップ。タイプ違う柿谷と大迫をどう起用すべきなのか?

text by 河治良幸 photo by Asuka Kudo / Football Channel

面白いのは2人の併用起用

 これまでよりポゼッションを取れなくなると予想されるオランダ戦、フィジカルの強いDFが揃うベルギー戦とも、現在の大迫が1トップで機能する見込みは柿谷より薄いと言わざるをえない。むしろ面白いのは柿谷と大迫を縦に並べる形だ。

 柿谷が1トップで相手のディフェンスラインを下げ、その手前で大迫が捌く。そこから中盤を起点に2人の動き出しでバイタルエリアを襲撃する。そういったコンビネーションがはまれば、ポゼッションに勝るオランダ、フィジカルに勝るベルギーに対してもチャンスを作り出すことができるはずだ。

 そうしたトライは「技術力、スピードをもって相手ゴールに迫っていく」というザッケローニ監督のコンセプトに反するものではなく、むしろ従来の戦い方を進化させる可能性を秘める。

「チームとしての理想のバランスを追求するために、自分たちの持っているものをすべて出してトライしていかなければいけない」とザッケローニ監督は展望するが、その中でも精度やインテンシティを高めるだけでなく、世界に衝撃を与えるオプションを手に入れることが必要ではないか。

「ベースを大切にしながらも、新しい選手を試していきたい」

 本田、遠藤、香川を軸にボールを回すスタイルを攻撃の軸にすることは悪くない。ただ、それ一辺倒で強豪を打ち負かして行くことは不可能に近いだろう。ザッケローニ監督のこの言葉が、単に選手を取り替えるということではなく、新たなオプションを見出すためのチャレンジが含まれていると期待している。

【了】

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