過剰な注目を集める香川真司
前回のコラムでは、香川真司の欧州におけるその本質的な知名度について書いた。香川の肉声を英語にすると、それこそあっと言う間に英メディアが群がり、日本代表MFのコメントを先を争って伝える。さらには、香川のコメントの中に現在のマンチェスター・ユナイテッドで「思うように試合に出られていない」というニュアンスを感じると、移籍報道まで飛躍させてしまう。
しかしそれもユナイテッドというビッグクラブでプレーする超一流選手の宿命だ。ネームバリューのある選手、すなわち、欧州メディアに実力を認められた選手達は、どうしても過剰なまでにマスコミの注目を集めてしまう。
自分が書いたものなので、コラムに対するツイートも読んでみた。大部分の書き込みが「面白かった」というもので、書き手としてもうれしかった。しかしその一方で、「香川が毎試合見たい」「活躍できるビッグクラブに移ってほしい」「どうすればユナイテッドで試合に出られるようになるのか」という意見も多かった。
“どうすればユナイテッドで試合に出られるようになるのか”という話は、僕個人、非常に本質的な問題があると思っている。それは香川選手だけに当てはまる問題ではなく、これまで、日本人選手がプレミアで今ひとつ期待以上の活躍ができていないという事実に対するひとつの回答にもなる話だ。
一言で言ってしまうと、日本における『サッカー』とイングランドにおける『フットボール』の違いなのだが、この話題は来週、FA創立150周年の話もからめて書いてみたい。そこで今回は、香川選手が一部のファンに望まれているように、毎試合出られるようなビッグクラブへの移籍があるのか、その可能性について探ってみたい。