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最下位でも年間60億円以上。プレミアリーグの繁栄を支える莫大なTVマネーに迫る

text by 斎藤史隆

CLやEL、国内カップ戦でさらに上乗せされ…

 一方、各クラブはシーズンを通して、放映される最低の試合数が決まっているが、優勝争いなどをする強豪チームの放映数は自然に多くなる。結果的に最終的に放映数が多かったチームへの分配は大きくなる。

 とはいえ、下位でも人気チームや降格争いへの注目は高い。従って、順位が低いチームであっても、放送局が注目サードとして取り上げれば、放映権料が増えるということになる。

 いずれにしても、チームの成績や注目度で取得できる放映権料に濃淡はあるとはいえ、各クラブが比較的均等に巨額の放映権料の恩恵を受けているということだ。しかも、ここで取り上げたのはあくまでもプレミアリーグの放映権料。

 欧州カップ戦と国内カップ戦とは別だ。さらに前記したように今季からの放映権料は昨季の約1.5倍に達している。単純計算すれば、今季の優勝クラブには1億ポンド(約160億円)近くが分配されることになる。

 確かに個々のクラブが取得する放映権料となると、バルセロナとレアル・マドリーが群を抜いている。両クラブが国内リーグの放映権で得ている金額は推定1億4000万ユーロ(約180億円)。

 しかし、スペインではイングランドやイタリア、ドイツと異なり、リーグの一括契約ではなく、クラブの個別契約が許されているから、こういったことが可能になる。結果的に両クラブ以外は財政面で苦戦するクラブが続出する事態になっている。

 リーグ全体の繁栄という観点から見れば、リーグの一括管理は極めて妥当な方式ではないか。そして、その頂点に立っているのはプレミアリーグというのは紛れもない事実である。

【了】

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