規約違反ではないが、ブラジル代表監督は大激怒
もっとも、ユース代表とA代表の場合は別ものとして捉えるなど、多くの抜け道もあるし――本来あってはならないが――後から代表を変えたケースも皆無ではない。つまり、規約上、今回のコスタの決断に問題はないはずなのだが、それでは気持ちが収まらないと怒りをぶちまけたのが、ブラジル代表監督フェリペ・スコラーリだ。
「百万人ものブラジル人の夢に背中を向けた」とコスタを非難し、「一度でもブラジル代表でプレーしたなら、彼はスペインだろうと他だろうと他の代表でプレーすることはできない」と断じた。ブラジルのメディアもほとんどがスコラーリの意見に従い、ジエゴ・コスタを「裏切り者」扱いしている。
もしも、3月の招集の後もスコラーリが引き続きコスタに声をかけていたなら、まだその非難も理解できる。だが、6月のコンフェデレーション杯に招集されなかっただけでなく、この6ヶ月もの間、コスタがスペイン代表とプレーしたいとの意志を表明するまで、一度もスコラーリは彼の名前を出すことすらしなかったのだ。
ジエゴ・コスタの希望を知った当初、ブラジルサッカー協会会長は、「ブラジルの最善のために彼を説得したい」と話していたが、最終的にはスコラーリの前に折れた。スコラーリは、よほど腹に据えかねたのだろう。
コスタにブラジル代表を棄権するとの書面を作成させた。それだけでも、十分な仕打ちだと思うのだが、さらに、現在ブラジルサッカー協会の法務部門がコスタのブラジル国籍を剥奪するための手続きを開始したと報じられている。
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