戦力整わぬシャルケ
今は、大地の中に根を張っているときなのかもしれない。
3つのゲームの中で、印象に残っている試合はありますか、と内田篤人に問うてみる。自身もゴールを決めたステアウア戦か、チーム一丸となって戦い抜いたバーゼル戦か、それとも、相手の試合巧者ぶりにしてやられてしまったチェルシー戦、だろうか。
欧州チャンピオンズリーグ13-14シーズンのグループリーグは、早くも半分の試合数を消化した。グループEに入った内田の所属するFCシャルケ04は、ここまでの対戦成績を2勝1敗としている。首位のチェルシーとは勝ち点の上では同じ6ポイントで並ぶものの、得失点差の関係で同グループの2位に付けている、といった状況だ。
怪我人が多く、なかなか戦力の整わないシャルケは、今シーズンこれまでCLに限らず幾度も苦しい戦いを乗り越えてきていた。10月に入ってからの試合で言うと、耐えて勝ち抜いた1日バーゼル戦で、ファルファンが負傷交代してしまう。
5日のアウクスブルク戦は4-1で快勝するものの、後半のアディショナルタイムに相手を突き放した19日ブラウンシュバイク戦では、マルコ・ヘーガーも戦列を離れてしまった。そしてホームでの22日チェルシー戦、26日ドルトムント戦と連敗を喫してしまう。
しかしこうしたチーム状況が、前線で戦う選手たちにかえって奮起を促しているところもあるのかもしれない。今ここにはいない誰かのために闘うのもまたサッカーだ。11月2日、直近のリーグ戦で苦闘の末に対ヘルタ・ベルリン戦をモノにして、シャルケ、そして内田はCLグループE第4節チェルシーとのアウェーゲームに臨むこととなった。