騒ぎが大きくなるのはそれだけ存在が大きいから
そもそも、今回のようなことがトピックして語られ、それに人々が反応する―これは、当地で確立された小野の人気の証明と言える。今や、創立間もないWSWの生けるレジェンドとなった小野のAリーグでのプレーが、2季目の今シーズンで終わるのか、それより長く続くのか、その答えは、今は小野本人にも分からないというのが正しいところであろう。
ただ、間違いなく言えるのは、小野自身がオーストラリアでのプレーをエンジョイしていると言う事実。色々な要素があいまって、来年、小野の3季目のシーズンを見られる可能性は決して低くは無い。
一方で、もし、彼に相応しい場が与えられるのであれば、日本帰国、J復帰という目も大いにあると見ていいだろう。本人をして「ここ数年で一番体がキレている」という絶好のコンディションで、Jリーグで再び自らのプレゼンスをという願望を小野は間違いなく持っている。
これは、筆者の個人的な願望ではあるが、小野と同じ静岡・沼津にルーツを持つ身としては、現在Jリーグ準加盟して来季のJ3参入を目指しているアスルクラロ沼津が数年後に小野に相応しい場で戦うことが実現した折、故郷のクラブのチームの支柱としてプレーする小野の姿を夢想したりもするのである。
オーストラリアでの2季目のシーズンが始まったばかりのこのタイミングで、彼の去就に関わるようなことを語るのは時宜を得ていないことは承知の上だが、今回の報道に関わる騒動(というほど大きなものでもないが)は、小野伸二という選手の存在の大きさをあらためて感じさせるには充分な出来事だった。
小野伸二の「オーストラリアでの引退」報道は、本人によって完全に否定された。これにて、小野伸二の去就に関する噂や推測にはピリオドを打つことにして、今後は、彼のAリーグでの活躍を日本の皆様にお届けできればと思っている。
【了】