ここ最近のJリーグでは、柿谷曜一朗よりも旬な男かもしれない。
それがアルビレックス新潟のFW川又堅碁だ。
先日行われた第30節湘南ベルマーレ戦では、視察に来ていたザッケローニ監督の目の前で、PKでの2得点を含むハットトリックと大活躍。今季の得点を20ゴールの大台に乗せて、ここまで得点王に向かってひた走っていた22ゴールの大久保嘉人の独走に「待った」をかける存在として急激に注目を浴びている。
昨年はJ2のファジアーノ岡山に所属しており18得点を記録。J2での得点力を買われる日本人FWはこれまでもいたが、J1でも同じ得点力を発揮できるストライカーは希だ。事実、前年度にJ2に所属していた日本人選手として20ゴールを決めた日本人選手は、川又が初めてのケースである。
体格的には183センチの長身だが、身体能力や技術力が特別優れているわけではない。一芸に秀でたタイプではなく、トータルバランスに優れているタイプのFWと言えるだろう。前線からの守備の献身性を持ちながら、しっかりと点を取れる決定力の高さを兼ね備えており、そういう点では、日本人らしいストライカーと言えるだろう。
なお堅碁(ケンゴ)の「碁」の文字は、囲碁・将棋の囲碁から来ており、囲碁は先を読むので、先を読める人間になって欲しいとの思いからつけられたという。ゴール前でのポジショングのよさは、その賜物かもしれない。
今後注目されそうなのは、その修行僧のような風貌か。11月の欧州遠征代表メンバーはまだ発表していないため、川又が招集されるかどうかは不明だが、もし欧州デビューをするようなことがあれば、その日本男児らしい風貌とともに注目も浴びそうである。
【了】
関連リンク
【鼎談】池田弘(アルビレックス新潟会長)×村林裕(前FC東京社長)×広瀬一郎 『クラブ経営のあり方とJリーグの未来』(前編)
アルビレックス新潟公式サイト