なぜ守備に奮闘しなければならないのか
シティの攻撃はスムーズだった。その理由の一つが、ボランチの2人(ヤヤ・トゥーレとフェルナンジーニョ)が自由にボールをさばいていたことがあげられる。彼らがボールを持ったとき、プレスに行っていたのが本田だった。
しかしながら、ボランチへの“寄せ”は甘かったと言わざるを得ない。2人を1人で完璧に見るのは不可能で、チームメートとの連携は不可欠ではあるが、もっと強く守備に行けたはずだ。
ファーストディフェンダーとしてあと一歩、寄せていれば、一発でボールを奪うことができなくとも、ボランチはパスがしづらくなった。これを続けることでシティのリズムを多少なりとも乱すことができる。
攻撃のキーマンである本田にそこまで求めるのは酷かもしれない。だが、ドルトムントやバイエルン・ミュンヘンなど最先端のチームは全員が献身的にボールを追う。守備は免除され攻撃に専念する「トップ下」は現代サッカーでは古典的な存在になりつつある。
ミランではどうだろう。本田が入るとすれば、トップ下起用、もしくはカカとの併用でサイドでの起用になるだろう。そして前線にはバロテッリ。守備への貢献度が少ないバロテッリをカバーするためには、本田にも当然ボールを追うタスクが課せられる。
それができなければ、レギュラーを奪取することは難しいだろう。ピッチ上に2人も“サボる”人間がいては、今の時代、勝ち抜いていくことは不可能だからだ。
そうしたイメージが本田にあっただろうか。この試合、採点をつければCSKAの選手の中では本田は高い点をつけられたはずだ。しかし、本田はそこで止まっていていい選手ではない。
本田はもっともっといいパフォーマンスを発揮しなくてはならない。彼は日本代表をさらにレベルアップさせるために必要な選手であり、もう既にCSKAに収まるような器の選手ではないのだから。
【了】
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