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【独占インタビュー】中西大介氏に聞くJリーグのアジア戦略「次に提携するのはマレーシア。W杯予選もっと厳しくなればいい」

text by 本多辰成 photo by Kenzaburo Matsuoka

ハードルが高いタイ

――来季から創設されるJ3では「提携リーグ枠」が設けられるという話も出ていますが、これについてはいかがでしょう?

「プラス1の『提携リーグ枠』を設けることになると思います。これから議論するところですが、私は来季からの方向で考えています。

 また、これをJ1、J2にも適用できないかという要望がクラブ側からあがってきていて、それも検討しよう、と。要は、アジア枠はやっぱり韓国の選手で使いたい。だけど、クラブやJリーグの発展を考えれば『提携リーグ枠』が必要、ということですね。

 日本の若手も伸ばさなきゃいけない一方、東南アジアの選手にもチャンスを与えたい。これを両立できるような仕組みを模索しなければいけません」

――リーグ間の提携においてはまずタイリーグからでしたが、選手においてはまずベトナムのレ・コン・ビン選手に白羽の矢を立てたのはなぜだったのでしょうか?

「市場の大きさを考えれば、本当はタイとインドネシアの選手がほしいですよね。でも、逆にタイはハードルが高いところもあるので、まずは獲得しやすいベトナムのレ・コン・ビン選手に白羽の矢を立てたということです。

 最初の選手が成功しないとなかなかあとが続きにくいですから、比較的獲得が可能で、なおかつ成功する可能性が高い場所というのもよく考えた上でのことでした。レ・コン・ビン選手が試合に出て、ゴールを決めてくれて、僕らが一番ほっとしていますね」

――タイはハードルが高い、とはどういった面においてですか?

「タイの場合、今、いい選手はサラリーが高いですよね。条件がものすごくよければ行くだろうけども、日本のクラブもそこまではまだ払えない。タイの選手は、同等の条件であればタイにいたほうがいいって言いますからね。

 ただ、レ・コン・ビン選手の成功によって代理人などもタイに目を向け始めています。なんとかタイの選手第一号が出て、成功してほしいですね。そこが、一つのブレイクスルーのポイントになると思っています」

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