前向きな気持ちを表現した香川だったが…
「後半必ずスペースがあって、空いてくると思っていたんで、とりあえず前半はがまんしながら、やろうかなあと思っていました。そういう意味では結果残したかったし、悔しいですね。
ただボールにからむ回数はちょっと少なかったのは確かでしたけど。そこまで悪い感じはしなかったんで。
まあとりあえず、なんらかのメッセージだと思って、やるしかないですし、先は長いし。ただこういうチャンスはモノにしていかないと、ここでは生き残っていけないというメッセージがあると思っているから。まあポジティブに受け止めて、がんばります」
(英訳)
I thought that I would have been able to find some space to create the chances in the second half. In that sense I was disappointed (to have been subsutituted).
Sure, I wasn’t involved that much, I didn’t touch the ball enough but I was trying to be patient so I didn’t feel that bad.
However I have to take this like some kinds of message (from the manager), I need to improve more and more, or I can not survive at this club. I have to take this in a positive way and keep trying to do my best.
しかし、英語にすると主語も対象もはっきりして、日本語の表現よりきつい印象もある。その点はマークにも伝えた。
翌日10月1日、記事は出た。かなり大きな記事になっていた。そしてその見出しは、「Kagawa fighting to impress David Moyes」(香川はディビッド・モイーズを感銘させる戦いの真っ最中である)というもの。
当初懸念したモイーズへの攻撃材料という扱いではなく、前半だけで交代させられたにも関わらず、マンチェスター・Uでの必死の生き残りにかける香川の気持ちを伝えた、非常に公平な内容だった。読後すぐ、マークに「いい記事だった」とメールを送ったのも、当然のリアクションだった。
ところがこれは単なる序曲だったのだ。このマークの記事――つまり香川のコメントに、あっという間に英メディアが群がって来たのである。