ブンデスリーガ2部のフォルトナに勤務する瀬田元吾さんは、ドイツ語がわかるようになってから気づいたことがあるという。
「ブンデスリーガのサポーターたちは応援歌を歌うことで、スタジアムにとても良い雰囲気をつくってくれます。彼らの歌う応援歌というのは、基本的に自分たちのクラブを讃える歌ばかり。
浦和レッズさんで言えば『We are Reds』ですね。とにかくクラブを讃える応援歌のバリエーションが非常に多いんです。俺たちは負けねえとか、俺たちは何年にチャンピオンになったとか、俺たちのホームで勝てるもんなら勝ってみろとか、そんな内容の歌をひたすら歌っている。
選手個人のチャントはほとんどありません。半永久的に使えるものを長く使って謳歌しているということですね」
だからこそ、かつてドルトムントに所属した香川真司が歌われた『カーガーワ、シンジ♪』の応援歌は非常にレアケースだったという。
「香川選手はドルトムントの8万人の大サポーターに何度も何度も歌われて応援されたわけですが、これはドイツのブンデスリーガーに対して謳う、あまりにも例外的なシーンでした。
長い間フォルトナで働いている僕からするとかなり違和感を覚えるくらい。つまり、それだけ香川真司という存在はドルトムントの中で特別な存在だったんです。
香川真司の歌を歌うことで、おそらく他の選手のモチベーションアップにも繋がっているんじゃないかというくらい、あの歌には力があったんじゃないかなと思いますね」
【了】
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