モイーズ色がよくでた試合
プレミアリーグ第10節フルハム対マンチェスター・ユナイテッドの一戦は1-3でアウェイのユナイテッドが勝利を収めた。
前半22分の時点で3-0。今季で最もモイーズ監督の志向性がポジティブに現れた一戦だった。では、そもそもモイーズ監督の目指す方向性とは何か?
モイーズ監督の方向性を語るには3つのキーワードが欠かせない。それは、「縦への早さ」「中盤からの飛び出しでクロスに人数をかける」「高い位置でのボール奪取」だ。
この日の得点経過をこのキーワードを絡めながら説明していきたい。
まず、9分の先制の場面では「縦への早さ」「中盤からの飛び出しでクロスに人数をかける」の2つが垣間見えるモイーズ監督が好む典型的な得点だった。
センターバックのネマニャ・ヴィディッチの縦パスを、ロビン・ファンペルシーがきっちりとキープ。すると、左サイド寄りの裏のスペースにウェイン・ルーニーが飛び出し、ファンペルシーはギリギリのタイミングでスルーパスを通す。
ボックス内に侵入したルーニーはグランダーの横パスを飛び込んできたアントニオ・バレンシアに。それをバレンシアが決めて、ユナイテッドが先制。
3つのパスでシュートまで持ち込む縦に早い攻撃は効果的で、セントラルMFのフィル・ジョーンズがエリア内に飛び込んだために、相手選手を3人も引きつけ、バレンシアがフリーでシュートを打つことができた。
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