欠点を補う貢献を見せるヤヌザイ
しかし蓋をあけてみれば、私が考えていた以上にヤヌザイは英国の巨漢達との付き合い方がうまかった。削られるシーンもあるが、不必要にボールを持ち、自身の脚を危険に晒すようなプレーは少ない。
むしろ、先に相手選手に体を当てることで、相手の勢いを殺してボールキープすることもできる。そしてノリッチ戦では、ペナルティエリア内で「PKをもらうために敢えてキープしつつ、うまくファールをもらう」という、したたかさも披露した(決してダイブしたわけではない)。
今後、もちろん怪我をする可能性もあるが、ヤヌザイはプレミアリーグで戦う小柄な選手にとって必須要項である、危険なプレーに対する察知能力を既に持ち合わせているようだ。例えば、アーセナルのジャック・ウィルシャーは、小柄なテクニシャンながら、球離れが悪くしばしば削られてしまう。
このあたりのプレー判断に関しては、年下ながらヤヌザイに軍配が上がる。ヤヌザイは18歳とは思えない知性を発揮した結果、モイーズ監督の下、契約延長を勝ち取り、同時に自分の位置づけを限りなくレギュラーに近づけている。守備面に難があるのは変わっていないが、その欠点を補えるくらい、攻撃面で貢献している。
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