ヤマザキナビスコカップを争う浦和と柏の両エースは対照的だ。
浦和のエース興梠慎三は3年連続での決勝進出。過去2大会はいずれも鹿島の一員としてヤマザキナビスコカップの連覇に主力として貢献した。
過去決勝戦でのゴールはないが、今大会は準々決勝から5ゴールを記録し、エースの役割を十二分に果たしてチームを決勝へ導いた。
Jリーグ公式サイトに寄せたコメントでは「僕は今季から浦和レッズの一員ですし、新たにタイトルを取るという気持ちは強いです。
僕を含めてモリ(森脇良太)、クニ(関口訓充)、大ちゃん(那須大亮)といった移籍1年目の選手たちは特にそう。タイトルを取ってこそファン・サポーターに愛される存在になると思います」と意気込み、決勝戦を待ち望んでいる様子が覗える。
10月27日のJ1第30節浦和対柏はくしくもヤマザキナビスコカップの前哨戦という形となったが、興梠自身は累積により出場停止。11月2日はエースの役割を果たし、興梠自身、3大会連続でのタイトル奪取、そして浦和を2003年以来2度目となるヤマザキナビスコカップ制覇へと導くことができるか。
一方、柏のエースは工藤壮人。
工藤はこれまで柏のタイトル獲得の瞬間に縁がなかった。
柏のJ2優勝はU-21日本代表の遠征、J1優勝は途中交代、天皇杯決勝は出場停止……。過去3年間、柏が勝ち取ったタイトルの瞬間をピッチで迎えたことがないのだ。
「だからこそ、このヤマザキナビスコカップ決勝では、ピッチで優勝の瞬間を迎えたいです」(Jリーグ公式サイト)と並々ならぬ意気込みで決勝戦に挑む。
今年から「レイソルの9番」を背負い、誰よりも結果に拘ってきた。
「14年前に優勝したときには、キタジさん(北嶋秀朗/現ロアッソ熊本)はアシストで結果を残している」
「個人的にも結果を出すか出さないかで、今後のサッカー人生に大きく影響を及ぼす、そんな大一番になることは間違いありません」(同サイト)
この大一番に懸ける意気込みは相当に強い。
10月27日の前哨戦では、チームは敗れたものの1ゴールを挙げるなどコンディションは上々。99年以来、柏の二度目の戴冠に「レイソルの9番」として結果を添えられるか。
【了】