昇格後の課題は宇佐美のパートナー
やはり今季前半、FW起用され新境地を開拓していた倉田秋は、指揮官をこう評している。
「健太さんは小さいFWでもクロスに上手く飛び込めば点は取れると言っているし、教え方も上手い」
徳島戦21分の先制点。カウンターの流れから遠藤保仁が右サイドの大森晃太郎にボールを展開すると、中央で待つ背番号39は小刻みなステップで青山隼のマークを外し、ニアでピンポイントに合わせている。
富山戦後、「後はクロスをしっかりと合わせられるようになれば」と長谷川監督が話した課題について、早速成長の跡を見せるあたりは非凡の一言だ。
リーグ戦の土壇場に来て、現状のベストの布陣を見出した感がある長谷川ガンバだが、早くも昇格後の課題が透けて見える。それは宇佐美を活かしうるFWの獲得である。
現状のFW陣のようなタメを作り切れないパートナーでなしに、タメを作り出せる相棒を得れば、背番号39はJ1でも十分にゴールを量産するだろう。
名伯楽の手中で確実に磨かれているG大阪の「至宝」。
「動きの質を高めて行きたいし、この働きを継続して行きたい」という希代のシューターが描く成長曲線とワールドクラスのシュートセンスを考えれば、来年のワールドカップでも十分、秘密兵器になりうるはずだ。
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