ドイツが育成改革に乗り出したのは2000年。
「それぞれのクラブが独自に色を出してしまうと、例えば、うちはお金があるから、うちは育てるクラブに、などとやってしまうとクラブ間で、育つ・育たない、という大きな差ができてしまう。だからリーガが最低限のルールは決めて始まったんです。
そして、1部と2部のそれぞれ18チーム×2=36クラブにユースアカデミーを持つことを義務付けました。クラブに育成のスペシャリストを配置して、選手たちが将来プロに巣立っていけるだけの環境と人間形成を重要なポイントとして取り組んだのです」
ブンデスリーガの育成システムには『ローカルプレーヤールール』というものがある。
「このルールには3つ大事なポイントがあります。
まず一つに、ブンデスリーガに所属するクラブは、必ず12人以上のドイツ人をクラブに所属させないといけません。ボスマン条約でEUでは自由に仕事ができると条約で決まってしまったので、ブンデスリーガにフランス人やイタリア人が入ってきても、彼らは外国人扱いにはなりません。
そうなってくると、イングランド・プレミアリーグの例でいえば、イングランドのリーグなのに、ほとんどが外国人の選手という状況ができてしまう。下手すると試合に出る11人が全員外国人ということも起こりえます。
これはプレミアリーグがそういうルールでやっているから仕方がないのですが、ブンデスリーガはそれを防ぐためにチームに12人以上のドイツ人が所属しなくてはいけないと決めたのです。つまり、12人×36クラブのドイツ人がブンデスリーガに所属することができます。