現在、ブンデスリーガのドルトムントは平均8万人以上の動員を記録する。収容率は99.8%。瀬田元吾さん曰く、「スタジアムの規模が10万人あれば、おそらく平均10万人も達成するだろうと言われています」とのこと。
瀬田さんの勤務するフォルトナの場合、5万4千人収容のスタジアムに平均4万6千人の動員、収容率にして84%。これらの数字は欧州各国と比較してもかなり高い数字だ。また、2009年の調査で、ドイツは女性のサッカーに対する興味関心が欧州他国に比べて高いことがわかっている。
瀬田さんはその理由を以下のように説明した。
「2006年のワールドカップに向けてスタジアムの整備を進めたことが最大の要因でしょう。以前のように、コンクリート打ち放ちの観戦席で男性たちがビールとソーセージを楽しみながら怒号を飛ばしているという劣悪な環境から、スタジアムのクオリティや安全性、公共交通機関と連携をして利便性を高めました。
それとスタジアム内にVIPシートをかなり明確に設けたことで、チケットの値段をハイプライスに設定することができました。年間シートとしては30万、40万、クラブによっては50万円という設定でもどのクラブでもほぼ完売します。
フォルトナの場合でいえば、試合の2時間前から試合後1時間半、試合を入れるとトータルで5時間から6時間の間VIPルームに滞在することができます。ここは食事や飲食、駐車場込みの値段になっていて、フォルトナは2000枚を用意しますが、完売します。
基本的にブンデスリーガの上位クラブはほぼ完売します。たとえば、30万円の設定で2000枚が売れると6億の収益です。シーズンスタート前に6億を完売できれば、シーズンを見通す上で安心して予算組ができるわけです。
VIPシートはかなり高額ですが、これを売り切っておくことで一般のシートの値段をできるだけ下げることもできます。フォルトナは一般シートでもっとも高額な席が46ユーロ、約5千円。一般シートの平均が20~23ユーロ、2500円から2800円程度。その他に家族シート、ここには子どもが6ユーロ、大人が12ユーロで入れます。つまり、家族4人で来ても5~6千円で楽しむことができます。ドイツで女性の比率が高いのは家族シートの貢献がかなり大きいと思います」
【了】
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