長身選手揃う。危険なセットプレー
そこでワイドトップ(=ウィング)の選手たちが相手の縦を切るサイドバックと距離を詰め、行動の選択肢を奪ってボールロストさせられるか。そして深い位置で守備することになった直後、再びボールを大事にして自分たちのプレーエリアを回復させることが重要になる。
相手のアタッカーは2得点のFWベリシャを中心に高さのある選手を揃えるが、しっかりラインを揃えながら、必要に応じて厳しく付けば、流れの中で圧倒される場面はそれほど無いのではないか。
やはり危険なのはCKや深い位置のFKなどセットプレーだ。正直、こればかりはキッカーの照準がターゲットにピタリと合ってしまったら、大半が180センチを超える彼らとの体格的なハンディを埋め切ることはかなり困難だ。3試合目で戦ったメキシコは67%のボールポゼッションを記録し、スウェーデンのCKを2本に抑えた。
日本もそのぐらいの数字を目指しながら、いざセットプレーの場面になれば、吉武監督が守備に求める“集中力と予測”を研ぎ澄ませ、相手のフィニッシュを邪魔していきたい。それでも1失点してしまったら仕方がないが、この試合では2点以上は奪うこと、そして先制点を取ることを意識して行くべきだろう。
ここまで96ジャパンが見せてきた戦いぶりは素晴らしいが、決勝トーナメントの重圧は独特のものがあるだろう。その中で日々、磨いてきた自分たちのスタイルに確信を持ち、その上で“ファースト・インプレッション”をベースに共鳴することができるか。
スタイルを信じ、仲間を信じ、自分を信じることができるか。まさに“96ジャパン”の真価が問われる試合になる。
【了】
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