重要になる3人目の動き
3連勝で決勝トーナメント進出を決めた96ジャパンことU-17日本代表はベスト8をかけ、北欧の雄スウェーデンと対戦する。もちろん力のある相手だが、筆者は初戦のロシアと同様、かみ合わせの良い相手と見ている。
ダイナミックな堅守速攻型のスウェーデンは相手によって大きく戦い方を変えない。体の大きな選手たちがきっちりゾーンを敷き、ボールホルダーの縦を切りながら周囲の選手がサンドする守備スタイルだ。
そして攻撃時はアンディションを起点としたシンプルな展開からワイドの選手が縦に飛び出し、相手のラインを深く下げたところでバイタルエリアを2列目の選手が突いて来る。
チュニジアの様にしつこくマンツーマンで来ることは考えにくい。中盤までボールはそれなりにつなげるが、決定的なスペースをDFラインの裏や中央のバイタルエリアに見出すには工夫が必要だ。
そこで選手たちがパスをつなぐ間に“相談”(吉武監督はノープランの状態でパスを交換しながら、アイコンタクトやパスの出し方などで情報を伝達することをそう表現する)3人目の動きで瞬間的なスペースを突いて行けるかがポイントになる。
日本がボールを保持できたとして、スウェーデンのどこに“守っていない場所”を見付けるかは、吉武監督が重視する選手たちの“ファースト・インプレッション”にかかっている。
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