完璧だった“メッシ2世”への対応

「非常に良い選手だから気をつけろ、と監督は言っていました」という長友。ベローナと対戦する上でマッツァーリ監督が警戒していたのは、彼だったのだという。

　この若手選手を封じる上でポイントは2つ、得意のカットインを許さないことと、スピードに乗せないこと。前節のトリノ戦ではチェルチにやられていた長友だったが、イトゥルベに対してはほぼ完璧な対応を見せた。

　周囲と連動しプレス。左足を使い、外から内側へ切り込まれる前に外へと弾き出してしまう。ただ怖いのはカウンターで、ベローナのマンドルリーニ監督はイトゥルベに守備のタスクをある程度免除し高めの位置に張らせていたが、彼がスピードを上げる前にボールを刈り取る。

　攻守が入れ替わるや、長友はすぐにカバーに戻り、高い位置でイトゥルベを止めていた。積極的に攻撃参加を続けながら、だ。

　その攻撃参加も、サイドを押し込み間接的にイトゥルベを無力化させる要因となっていた。ただサイドを突進するのみならず、絶妙なタイミングで縦にパスを入れ、スペースへ飛び出したアルバレスやパラシオを走らせる。

　もちろんスペースを得れば、中へと切り込んで勝負に行く。カットインから放った2度のシュートも際どいコースを狙ったもので、実際そのうちの一本は点に繋がっている。