20日に放送されたNHK・BS1での「サッカープラネット」。その中の「海外でプレーする日本人選手特集」では、なでしこジャパン守備の要・熊谷紗希選手が紹介された。
「最終ラインで落ち着いてビルドアップであったり、自分からのパスだったりというのが攻撃の起点になるように。自分はそこを目指してやっている」
現在、心がけているプレーをこう語る彼女は、今年6月、フランスのオリンピック リヨンに移籍してきたばかり。しかしすでにレギュラーとして活躍し、まさに順風満帆といった感じだ。
熊谷がサッカーを始めたのは小学生。高校2年生のときにはなでしこジャパンの一員として国際舞台を経験し、2011年には女子ワールドカップ決勝で優勝を決めるPK戦で、最後のキッカーもつとめている。その直後に7月には、ドイツのフランクフルトに移籍。ドイツで2年間プレーをした。
「2年ドイツでやってある程度チームの信頼も得て試合にも出てたなかで3年目を迎えるか。新しいところに行ってすべて0からチャレンジするかという選択肢があって、新しいところでチャレンジしようかと思ったのが一番です」
そして6月、フランスのオリンピック リヨンに移籍。リヨンのサッカーは自分の目指すサッカーにあっていると手応えを感じているようだ。
番組内では熊谷の日常も紹介。
練習場への移動はすべて自転車。クラブハウスで食べる食事には専属の栄養士がおり、チームメートと談笑しながら食べる様子が紹介されていた。
「日本よりもいろんな人がいる。個性豊かだし、いろんな人と話せたりサッカーができるのが、すごく楽しいですね」
そして時間を見つけては、フランス語の勉強を欠かさない。ノートを広げ、サッカー用語を中心に書き写している。
「難しいですね。ドイツ語をやっている分、少し似ている部分はあるのですが、問題は発音ですね。試合中にチームメートが自分にもう伝えたいけど、『あぁ、サキにはわからないか』となるときがある」
言葉の問題はあるが、レギュラーの一角としてチームの連勝を支えている熊谷にパトリス・レール監督からの信頼も厚い。
「彼女は堅実に守れるディフェンダーで、次の展開を仕掛けることができる選手だ。パスを出す為にどう動くかもわかっている。そして得点もできる力もあるので、ミッドフィルダーとしてもプレーできるね。ディフェンダーとしては世界トップクラスなので、チームには絶対に必要だ」
彼女が見据えているのは、2年後の女子ワールドカップ連覇。
「自分が成長できたらなでしこの貢献できると思っている。やることはわかっているので、そこはぶれないと思っている」
現在23歳の熊谷紗希。まだまだ成長が楽しみだ。
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