「キャプテンっていっても、ほんまコイントスだけ」
――キャプテンをやれば周囲に指示を出したり、必然的に積極性が増すだろうという理由だったそうですが。
「直接の理由は知らされてないですが、そうだったんすかね。でも、ほとんどキャプテンらしいことをしてない。副キャプテンに大黒(将志)とディフェンスの中垣(典明)がいて、中垣が一番キャプテンぽかった。そのふたりがチームをまとめてくれたんで」
――中学時代、高槻FCでは腕章を巻いていないんですか?
「どうやろ、やったかな。やったような気もするなぁ」
――そのぼやっとした感じだと、たいした仕事はしてないですね。
「ほんまコイントスだけ(笑)」
――西村監督から主将に指名されて、困りました?
「イヤっちゃイヤでしたけど、断れる雰囲気ではなかった。『やるかぁ?』って聞かれた感じだったら断ってます」
――キャプテンに就任したことでリーダーシップを発揮することもなく、それほど変化はなかったと。
「はい、変わってないと思います」
――当時から精神的に落ち着いた選手だったと聞いていますが、二川さんはチームメイトに腹を立てたりしないんですか? たとえば、絶好のスルーパスに味方の反応が遅れたり、意図が食い違ったときに。
「ないですね。その選手のイメージはそうだったんだと思うだけで。自分の考えを押しつけるようなことはしない。イメージが合えば点になるし、合わなければ点にならない」
――俺のパスに合わせろ、ではない。
「違います。合わなかったとき『いまのいけた? 無理?』とは聞きますけど」
続きは『フットボールサミット第15回 『攻め勝つ』ガンバ大阪の流儀』にて、お楽しみ下さい。